サラリーマンがふるさと納税を通じて控除を受ける場合、代表的な方法が確定申告。
確定申告といえば、サラリーマンにとって面倒で難しいというイメージが強いですよね。
ですが、確定申告を通じて寄付金控除を受ける方法は、コツや条件さえ押さえておけば簡単です。
加えてふるさと納税では、サラリーマンが確定申告しなくて済むワンストップ特例制度もあります。
まずはふるさと納税で確定申告する方法から見ていきましょう。
目次
サラリーマンがふるさと納税で確定申告する方法を解説
ふるさと納税をする際は、寄付したあとに確定申告をする必要があります。
ただ、サラリーマンにとって確定申告はなかなか馴染みがなく難易度が高いと思いがちですが、確定申告の流れやメリットを知っておくことで比較的簡単に寄付金控除を受けられます。
まずは、確定申告でふるさと納税の寄付金控除を受けるまでの流れから確認していきましょう。
サラリーマンが確定申告でふるさと納税の寄付金控除を受けるまでの流れ
サラリーマンが確定申告でふるさと納税の寄付金控除を受けるには、一定の条件があります。
具体的にはまず寄付金控除のほかに、医療費控除など確定申告で申告するべき控除がある場合です。
特に住宅ローン控除については、契約してまだ1年目の場合は確定申告が必要となります。
次に前年1年間にふるさと納税で寄付した自治体の数が、6自治体以上の場合です。
言い換えれば、普段からふるさと納税を多用しているサラリーマンが当てはまります。
さらにワンストップ特例申請の期限に間に合わなかった場合も、確定申告で寄付金控除を受けられる対象です。
確定申告は毎年2/16~3/15にかけて税務署で行なう
確定申告は毎年2月16日から3月15日にかけて、お住まいの地域を担当する税務署に対して行います。
具体的には自宅で確定申告書を作成し、必要な書類を添付して提出するといった流れです。
また手書きで記入する以外にも、国税庁の確定申告書作成コーナー
や会計ソフトを使ってパソコン上で作成することもできます。
手書きが面倒な場合は、会計ソフトなどを使うと良いでしょう。
手元に寄付金受領証明書を準備し、内容を記入する
確定申告を通じてふるさと納税の寄付金控除を受けるには、確定申告書の「寄付金控除」欄に金額などを記す必要があります。
記入の際は、まず手元に寄付先の自治体が発行した寄付金受領証明書を準備しましょう。
具体的には、確定申告書Aの第1表と第2表に1ヶ所ずつある「寄付金控除」欄に記入するやり方で、特に第2表に記入する場合は寄付した自治体名を記します。
さらに第2表の一番下にある「住民税に関する事項」の「都道府県、市区町村分」にも寄付金額を記入してください。
寄付金受領証明書の内容を確認しながら記入すると、間違いが起こりません。
提出には3つの方法がある
確定申告書に収入や寄付金控除など控除金額の全てを記入し終えたら、税務署に提出しましょう。
税務署に確定申告書を提出する方法は、税務署の窓口に直接提出する方法と郵送する方法、 e-taxを使って電子申告する方法の3つがあります。
直接提出する方法については、確定申告受付期間中に税務署が解説している特設会場での提出も可能です。
直接提出と郵送の場合は、寄付金受領証明書を添付する必要があるため、台紙にのり付けして申告書と一緒に提出します。
ワンストップ特例制度であれば確定申告しなくてもよい
なおサラリーマンの場合は、ワンストップ特例制度を活用する方法もあり、この方法を使えば確定申告をしなくて済みます。
ワンストップ特例制度について、詳しいことはこちらへ。
確定申告で寄付金控除を受けるには、2月中旬から3月中旬に税務署に対して確定申告書を提出することが必要です。
この際に自治体に寄付した金額を記入したうえで、寄付金受領証明書を添えて提出します。
なおサラリーマンの場合は、ほかにもワンストップ特例制度の活用もおすすめです。
ワンストップ制度についてはコチラの記事もご覧ください。
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サラリーマンがふるさと納税を通じて控除を受ける場合、代表的な方法が確定申告。 確定申告といえば、サラリーマンにとって面倒で難しいというイメージが強いですよね。 ですが、確定申告を通じて寄付金控除を受ける方法は、コツや条件さえ押さえておけば簡単です。 加えてふるさと納税では、サラリーマンが確定申告しな […]
次はサラリーマンがふるさと納税で確定申告するメリットを見ていきましょう。
サラリーマンがふるさと納税で確定申告するメリットとは
サラリーマンにとってなかなか不慣れな確定申告。実はサラリーマンがふるさと納税で確定申告することには、いくつかのメリットがあります。
考えられる2つの代表的なメリットについて詳しく解説します。
メリット1:所得税分の控除額を現金で還付してもらえる
サラリーマンがふるさと納税で確定申告するメリットの2つ目が、寄付金控除で所得税の分が現金で還付されるという点です。
確定申告では還付金が発生する場合、申告の際に登録した銀行口座に振り込まれます。
言い換えれば所得税の分については、寄付金控除を現金という形で手に握ることができる仕組みです。
このため寄付金控除を受けた喜びを肌で感じられるでしょう。
メリット2:年明け後も余裕をもって申告の準備ができる
サラリーマンがふるさと納税で確定申告するメリットの3つ目が、年明け後も余裕をもって申告する準備ができるという点です。
確定申告は2月から3月にかけての時期であるため、ワンストップ特例制度を活用する場合に比べて、最短でも1ヶ月以上準備する期間が長くなっています。
このため特に正月休みや土日などを使って、ゆとりを持ちながら確定申告の準備ができるでしょう。
前もって少しずつ準備を進めれば、慌てふためくことがありません。
これらのメリットを理解すれば、ふるさと納税で確定申告する楽しみも増すでしょう。
次はサラリーマンがふるさと納税で確定申告する際の注意点を見ていきます。
サラリーマンがふるさと納税で確定申告する際の2つの注意点
サラリーマンがふるさと納税で確定申告する際は、注意しなければならないポイントがあります。
確定申告時における2つの注意点について、それぞれ確認していきましょう。
1.すでにワンストップ特例申請した場合は確定申告が不要
次に挙げられる注意点が、すでにワンストップ特例申請をした場合は確定申告の必要がないという点。
ワンストップ特例申請と確定申告についてありがちな勘違いに、両方とも確定申告するべきと考えられる点が挙げられます。
しかし実際はワンストップ特例申請をした場合は、確定申告する手間が省ける仕組みです。
一方で確定申告は、仮にワンストップ特例申請ができなかった場合に寄付金控除が受けられる手段といえます。
仮にワンストップ特例申請をした状態で確定申告まで行うと、ワンストップ特例申請が取り消しになる仕組みです。
結果的にワンストップ特例申請した際の労力が無駄になるため、寄付金控除を確定申告で申告するか、ワンストップ特例制度を活用するのかは早めに決めておいた方が良いでしょう。
2.住宅ローン控除などと併用する場合、寄付金控除を受けられる額が減る場合も
サラリーマンがふるさと納税の寄付金控除を確定申告で受ける場合、他の控除との併用は注意しておかなければなりません。
実は医療費控除や住宅ローン控除などと併用する場合、税金の金額によってはふるさと納税で寄付した金額すべてを控除しきれない場合があるためです。
ふるさと納税で受けられる寄付金控除は、あくまでも自己負担分として2,000円納めたうえで、残りの寄付金額が控除される仕組みになっています。
一方で所得控除の中でも、特に住宅ローン控除は1年あたりで控除される金額が大きいです。
仮に住民税の金額から住宅ローン控除の金額を差し引いて、残った金額からふるさと納税で寄付した金額を差し引けない場合、自己負担額が2,000円を超える結果になるでしょう。
このように他の所得控除と併用する場合、納めるべき税金の金額や医療費控除などの所得控除の金額によっては、寄付金控除を全額分受けられないケースもあるため注意してください。
また他の控除と併用した際、場合によっては寄付金控除の額が減って損をすることもあるため、この点も注意しておいてください。
サラリーマンがふるさと納税で確定申告する方法、しなくてよい方法のまとめ
サラリーマンがふるさと納税で確定申告する方法や、確定申告をしなくてよい方法について解説してきました。
- 確定申告では申告書に寄付金額と寄付先の自治体名を記す
- 申告書を提出する際は、寄付金受領証明書を添付する
- 確定申告をすれば6自治体以上の自治体に寄付できる
ふるさと納税で確定申告することで、多くの自治体数に寄付できる点や所得税分の控除を現金で受け取れるといったメリットがあります。
ふるさと納税のメリットも理解しつつ確定申告で寄付金控除の手続きをしたなら、ふるさと納税上級者と言えるでしょう。