ふるさと納税と医療費控除の併用と注意点まとめ

ふるさと納税と医療費控除を併せて適用する場合の方法を解説します

ふるさと納税と医療費控除を併用する手続きって難しそうだと感じますよね。

少し面倒な部分もありますが、要点を抑えれば併用の申請は可能です。

ふるさと納税と医療費控除を併用するとき、控除額の上限を知っておかないと超えた部分の寄付金が自己負担となってしまいます。

また、医療費控除を併用する場合にはワンストップ特例制度を利用できず、確定申告が必要な点にも注意が必要です。

どちらも併用して上限までふるさと納税を活用するための方法を見ていきましょう。

ふるさと納税と医療費控除の併用について解説します

ふるさと納税と医療費控除の併用はできるか解説していきます。

併用する上で必要になる病院で支払った分の領収書や、医療費控除の明細書の作成方法といった内容も説明していくので、スムーズに手続きを進めるために目を通してください。

ふるさと納税と医療費控除を併せて確定申告する手続きと必要書類

ふるさと納税と医療費控除を併用する際、必要な書類と手続きについて解説します。

病院で支払った際の領収書や医療費控除の明細書の作成、源泉徴収票などが必要になるので順を追って見ていきましょう。

病院に支払った領収書を集める

医療費控除とは1月1日から12月31日までの間に、生計をともにする配偶者や親族の医療費が10万円を超えている場合に、上限を200万円として計算され所得控除を受けることが可能です。

※参考:国税庁 医療費を支払ったとき(医療費控除)

医療費控除をふるさと納税と併用する場合、病院に行き支払った金額がわかる領収書を全て集めてください。

この時のポイントは

  • 医療機関にかかった人ごとに領収書を集める
  • 行った病院ごとに領収書をまとめておく
  • 日付順にまとめておく

といったものが挙げられます。

医療費としてかかった領収書をまとめることは、医療費控除の手続きのなかで大変な作業にあたります。

仮に領収書を失くした場合は、医療機関に申し出て再発行を依頼しなければいけません。

面倒な作業になる上、作業がスムーズに進まないこともあるのでミスがないように領収書を管理してください。

医療費控除の明細書を作成する

医療費としてかかった領収書をもとに、医療費控除の明細書を作成します。

医療費控除の明細書は1行ずつ記入してください。

医療費控除の明細書には

  • 医療を受けた方の氏名
  • 病院や薬局の支払先の名称
  • 医療費の区分
  • 支払った医療費の額
  • 医療費のうち生命保険や社会保険で補填される金額

といった内容を記入します。

平成29年分の確定申告から医療費控除の明細書の添付が必要になりましたが、領収書の添付・提示は必要ありません。

※参考:国税庁 医療費明細書

パソコンで医療費控除の明細書を作成する場合は、国税庁が出している医療費集計フォームを利用してください。

※参考:国税庁 医療費集計フォーム

源泉徴収票を準備する

会社員の方は、12月もしくは1月に会社からもらう源泉徴収票を準備します。

源泉徴収票に書かれている値を、確定申告の際にできるだけ多く入力してください。

確定申告書類を記入する

確定申告書類は、サラリーマンと個人事業主で使用するものが変わります。

サラリーマンで給与所得のみであれば申告書Aを利用し、個人事業主もしくは申告書Aに当てはまらない方は申告書Bを利用してください。

申告書Aを記入するにあたって、先ほどの源泉徴収票を見ながら項目を埋めていき、確定申告書の医療費控除の欄に計算した医療費控除額を記入します。

ここまで挙げてきた書類の他に

  • マイナンバーカード
  • 税金の還付を受ける預貯金口座
  • 印鑑

これらは、全ての人が用意すべきもので、申請する際に最寄りの税務署に郵送、もしくはe-Taxで提出してください。

ふるさと納税と医療費控除を併用する場合、いくつか注意点があるので見ていきましょう。

ふるさと納税と医療費控除を併用する場合の注意点を解説

ふるさと納税と医療費控除額を併用する際に、意識するべき注意点を解説します。

ふるさと納税と医療費控除を併用する場合、寄付金で損をしてしまう可能性や手続きの手間を省けるワンストップ特例が使えないといった点が注意点に挙げられるので見ていきましょう。

寄付金額で損をする

ふるさと納税と医療費控除を併用すると、寄付可能額の上限が少なくなるため寄付金控除額も下がることから、損をする可能性があるので注意が必要です。

所得税と住民税の計算は

  • 所得=収入−給与所得控除
  • 課税所得=所得−各種所得控除
  • 所得税額・住民税所得額=課税所得×税率

これらの手順で行ってください。

医療費控除は各種所得控除にあてはまり、所得から引かれ課税所得が少なくなるため、ふるさと納税で寄付できる金額が少なくなることから寄付金控除額も下がります。

医療費控除を受けると課税所得が減少し寄付金の上限が下がるため、控除額は少なくなり損をする可能性があるので注意してください。

ワンストップ特例が無効になる

ワンストップ特例とは、年間で5つの自治体まで必要書類を送るだけで、ふるさと納税分の確定申告を行わずに手続きが完了する便利な制度です。

本来、ふるさと納税を行うだけだと確定申告をする必要はありませんが、ふるさと納税と医療費控除を併用すると年末調整での処理ができないため、ワンストップ特例が無効になり確定申告を行わなければいけません。

ふるさと納税を行っている人にとっては、医療費控除を併用することで面倒な作業が増えるため注意が必要です。

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控除される時期にも注意

ふるさと納税と医療費控除を併用した場合、減税分が所得税と住民税のそれぞれから控除される年度が異なります。

所得税はふるさと納税や医療費控除を受けた年度に適用されますが、住民税は前年の所得から税額が決まるため、次年度分に適用されることから時期が変わるので確認しておきましょう。

総所得金額と課税総所得金額の違いに注意

総所得金額は源泉徴収票に記載されている金額ですが、課税総所得金額とは所得控除の合計額を引いたものです。

医療費控除は総所得が200万円を超える場合、支払った医療費から保険金で補填された金額と10万円を足したものを、総所得から引いて算出されます。

200万円を超えない場合は、10万円ではなく総所得の5%を引いた金額での計算です。

医療費控除の計算は総所得金額から算出されるため、課税所得金額で計算しないよう事前に確認しておきましょう。

還付金が少ないと感じた場合、計算方法が誤っている可能性もあるため、通知書の確認が必要です。

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実際にふるさと納税と医療費控除を併用した場合のシミュレーションを紹介します。

併せて控除する場合のシミュレーション例を紹介

ふるさと納税と医療費控除を併用して控除される場合のシミュレーションを解説するので確認してください。

年収によってふるさと納税の寄付金上限額は、どのように変動するか見ていきましょう。

年収400万円の場合

次の表は、年収400万円の人が医療費控除額によって、どれだけふるさと納税を利用すれば自己負担が最低金額の2,000円で済むかを表しています。

医療費控除額 ふるさと納税寄付金上限額
なし26,265円
10万円23,909円
20万円21,553円
50万円14,486円

医療費控除を受ける金額が多ければ、ふるさと納税で控除を受けられる金額は少ないです。

年収600万円の場合

年収が600万円の場合、先ほどの400万円に比べてふるさと納税の利用可能額は多くなります。

医療費控除額ふるさと納税寄付金上限額
なし63,285円
10万円60,779円
20万円58,272円
50万円46,290円

年収800万円の場合

年収が800万円の人がふるさと納税での上限額は以下です。

医療費控除額ふるさと納税寄付金上限額
なし115,107円
10万円112,232円
20万円109,358円
50万円88,101円

シミュレーションサイトの活用がおすすめ

ふるさと納税サイトであるふるさとチョイスには上限額をシミュレーションできるページがあります。

無料で利用でき、さまざまな家族構成や年収といった条件で計算できるため、ぜひ利用してください。

◎参考:ふるさとチョイス<「ふるさと納税」還付・控除限度額計算シミュレーション>

ふるさとチョイス

いくらまでふるさと納税の寄付ができるか寄付の上限額が簡単にわかる機能です。計算シートや目安表を使って、ふるさと納税の控除…

医療費控除と似た性質を持つセルフメディケーション税制による控除と、ふるさと納税の併用方法を見ていきましょう。

セルフメディケーション税制による控除とふるさと納税は併用可能か

セルフメディケーション税制による控除と、ふるさと納税は併用可能か解説します。

セルフメディケーション税制と医療費控除の関係やどの医薬品が対象となるか、所得控除の計算例といった部分を見ていきましょう。

ふるさと納税と併用可能

セルフメディケーション税制は、医薬品を自分で買ったときに適用できる税制措置です。

仕組みは医療費控除と同じく所得控除になるため、セルフメディケーション税制とふるさと納税は併用できます。

利用した際の計算方法は、医療費控除と同じです。

医療費控除は併用不可

セルフメディケーション税制を申請した場合、医療費控除の申告はできなくなります。

そのためどちらをふるさと納税と併用するかは自分で判断するか、不明点が多い場合は市区町村の窓口に相談してください。

厚労省が定めた医薬品のみ適用される

セルフメディケーション税制が適用される医薬品は、市販薬の全てではありません。

主な対象医薬品は

  • アクテージSN錠
  • イブ
  • エージーノーズ
  • エスタック
  • ガスター10
  • コンタック

といった種類です。

薬局によっては商品が並んでいる棚に、セルフメディケーション税制の対象となる識別マークが記載されていることもありますが、不明な場合は厚生労働省のホームページから確認してください。

※参考:厚生労働省 セルフメディケーション税制対象医薬品 品目一覧

所得控除になる場合の計算例

セルフメディケーション税制を適用する場合、年間で対象となる医薬品を購入した金額が、12,000円を超えた分を、上限88,000円で所得控除されます。

例えば、年収400万円の人が30,000円分の医薬品を購入した場合、30,000円から12,000円を引いた18,000円が課税所得額から控除される金額です。

これをもとに計算していくと、所得税は18,000円に所得税率をかけた額が控除されます。

住民税の場合は住民税所得割額と均等割額によって金額は変わるため、全員が同じ計算方法ではないので注意が必要です。

ふるさと納税と医療費控除の併用と注意点まとめ

ふるさと納税と医療費控除を併用する上で、注意点を把握してください。

  • 医療費として支払った領収書は全てまとめておく
  • ワンストップ特例が利用できなくなる
  • ふるさと納税の寄付可能額が少なくなり損をする可能性がある
  • セルフメディケーション税制と医療費控除の併用はできない

計算方法は人によって変わるため、シミュレーションサイトを利用するか、わからなければ税理士や役所に相談することが大切です。